日本の最東端を目指して(釧路デスクワーク編)

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2019.05.29
日本の最東端を目指して(釧路デスクワーク編)

先日、札幌への出張のついでに日本の最東端を目指して道東を見聞してきました。

根室はもちろん、釧路や帯広も初めての滞在だったので、すきま時間で街を歩き回るフィールドワークを行い、雰囲気を感じてきました。

街の印象について、備忘録を兼ねてまとめておこうと思います。

まずは、道東の最大都市である釧路から。

釧路市の人口は174,742人(2015年国勢調査)と道東では最大の人口規模の都市です。1980年代には人口が22~23万人に達し、北海道内で4番目に人口が多い都市でした。 しかし、その後は人口が減少。2018年1月時点で苫小牧市に抜かれて道内5位に転落しています。

基盤となる産業は石炭と漁業、林業を背景とした製紙工業でしょう。近年これらの産業が衰退ぎみなのが人口減少の要因でしょうか。

2045年までの将来の人口変化のレポートが作成できる「未来商圏レポート」を使って、釧路の中心から車で10分圏の商圏レポートを作成してみました。商圏はおおむね市街地西側の工業地帯や北側と東側の住宅地をカバーしており、一部隣接する釧路町も含まれます。

それでは、釧路市の将来像を見てみましょう。
未来商圏レポート(釧路市中心から車で10分):PDFが開きます

2015年の国勢調査時点では12.6万あった人口が、2045年には8.1万人まで減少が見込まれます。今後30年間の減少率は35.3%に達し、これは全国平均はもとより道内平均をも上回る激しい減少を迎えます。

次に、「あさひる統計」を使って、この地域の時間帯別の人口分布を見てみます。約125m四方の当該時間帯の人口をスマホの位置情報から復元した統計データです。凡例は以下の通りで、いずれのマップにも共通です。ベースマップは地理院地図を使用しています。

人口分布図の凡例(人)

まずは平日夜間の人口分布です。

駅から海までの市街地を中心として、郊外に広く人口が分布していることが分かります。

地図の中央やや右下あたりに釧路駅があり、そこから南方にメインストリートの北大通を進むと、観光スポットとしても有名な弊舞橋(ぬさまいばし)に通じます。このあたりが都心となっており、都心の人口密度がやや高く、ここから郊外の住宅地にかけて薄く人口が広がっている印象です。一般的に都市の人口構造といえば、中心市街地は業務地区となっていて夜間人口少なめというのが一般的ですが、地方都市の場合はそうともいえないことが多いようです。

そして、平日午後の業務時間帯の人口分布です。

多少都心部への人口集積があるように見えます。

都心部へやや人口が集中しているようです。特に、釧路市役所がある官庁街付近は顕著に増えています。ただ、全体としては著しく増加しているようには見えません。また、西側の工業地帯や港湾地区への人の流入も目立ちます。

次に休日の午後の人口分布です。この時間帯は買物やレクレーションなどの活動を行う事が多いですよね。

中心市街地はむしろ人口が減っている?

平日に比べて都心部の人口集積が目立たなくなっています。オフィスの仕事がお休みなので、仕事で都心に通う人がいなくなる分人口が減少するのは理解できるのですが、平日夜間の人口と比べても減っているような気がします。都心部の商業は衰退し、旧市街北側の国道沿いのショッピングセンターや郊外型店舗への人口集中がこの時間帯は発生しているのだと思われます、北部の郊外地区にはイオンが2店舗出店しており、ここに人が集まっている様子がわかります。

そういうわけで、釧路では休日の都心部はお買い物などでは人が集まらない様子です。それでは、夕方から夜にかけての居酒屋タイムの人口はどうなっているのでしょうか。

これは顕著な集中が見られます。

興味深いことに、都心南側の釧路川沿いにかなりはっきりとした人口の集積が見られます。ここは「道東最大の盛り場」といわれる末広町界隈です。商業中心としての釧路都心部は衰退してしまいましたが、飲み屋街はまだ元気なようです。何たって、炉端焼き発祥の地と言われている盛り場ですからね。

最後に、地形的な背景も見てみます。

釧路の地形分類図(地理院地図へのリンク)

釧路駅から釧路川にかかる弊舞橋に向かう北大通沿いの都心部は、おおむね釧路川の氾濫平野上に位置します。住宅街は弊舞橋を渡った釧路川対岸の台地上や市街地から北方の釧路湿原方面に広がっています。また、市街地西側の日本製紙や王子製紙といった製紙工場が立地する工場地帯は海岸砂丘列を切り開いた場所だったことがわかります。港湾地区は砂丘列の先を埋め立ててできています。

なるほど。
地形分類図を見ると、釧路湿原というのは湾口が海岸砂丘に閉じ込められた湿地帯が原地形だったんだな、という様子が読み取れます。

さて、釧路市の現況はおおまかに分かった気がします。
デスクワークはこのあたりでおしまい。

釧路周辺は人口減少が見込まれて否定的な印象も感じられます。しかし、歴史ある港町独特の雰囲気や世界的に有名な釧路湿原、さらには東京や大阪ではあり得ない気候など、観光資源は豊富にあるはず。
では、実際に街をフィールドワークしてきた様子をまとめていきます。長くなってしまったので、続きはまた。

続編「釧路フィールドワーク編」もご覧ください