新型コロナウイルスによる感染症は初期の封じ込めフェーズに失敗し、感染の拡大フェーズに入ってきています。特に東京都と周辺の首都圏、大阪周辺の都市圏ではクラスター対策が限界となり、4月7日に人の移動制限を伴う緊急事態制限が出されました。
東京都は新型コロナ患者の居住自治体を公開しています。これをマップ化して時系列比較することで、首都圏内における地理的な感染拡大の様子が把握できるはずです。
などと思いを巡らせていたら、知人の平岡さんがfacebook上ですでに公開していました。さすが、いい感性しています。
ソースの情報を公開してくれた(感謝!)ので、元データをダウンロードさせていただき、私も自分の環境でマップを作成してみました。
元データはこちら
日々、更新を行っていくそうです。
感染者の実数でマップ化したものです。
世田谷区(118人)、新宿区(80人)、杉並区(67人)が上位3地区となっています。どちらかというと、23区の西側の山の手地区に感染者が増えていることがわかります。
ただ、注意していただきたいのは、感染者上位の区はもともとの人口も多いということです。世田谷区は877,138人、杉並区は549,569人と23区では人口が多い地区です。すなわち、これらの地区は感染者は多いものの、必ずしも感染率が高い地区ではない可能性があるということです。
そういうわけで、地域の傾向を知るためには実数よりも密度をもとにしたマップが適しています。人口10万人あたりの感染者数を作成してみました。
こうしてみると様相が違っていることが分かります。
都心からやや離れている世田谷区や杉並区は、それほど深刻な数字ではないことが分かります。感染者数のマップでは埋もれていた港区の状況が圧倒的に悪いということが分かります。千代田区は感染者数は低い数値ですが、10万人あたりに換算すると楽観できるわけではないことも分かります。
このマップは4月9日現在のものですが、時系列的に表現した平岡さん作成のマップを見ると、港区から周囲に展開していく様子が観察できます。文京区は地理的には都心からの近接性は高いものの、今のところ周囲の地区より低い数値を示しています。
あくまで仮説ですが、六本木や新橋などの歓楽街があって国際的な人の交流も多そうな港区での感染率は高く、それが周囲の歓楽街や繁華街を持つ新宿や渋谷、銀座、上野などを擁する各区に広がっているのかもしれません。
文京区には、そういった規模の歓楽街はないため、感染増加が抑えられているのかもしれないかと思われます。
やはり「密」と関連性が深いことが、何となく実証できている気がします。
もう少し、密度と関連性の高い指標をマップ化して、現況の感染状況との関連性を見ていきたいと思っています。
が、長くなりそうなので明日にでも続きをアップしていこうと思います。