商業活動には、商圏分析が欠かせません。商圏分析を行うにあたり、大切なのが商圏調査です。

楽しいチリビジが、商圏調査の流れや費用・立地などについてわかりやすく解説します。商圏調査を行いたいなとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

商圏調査の流れや費用などのチェックポイントとは?

商圏分析において重要となるのが、商圏調査です。分析を行うためには、まず現状を知る必要があります。商圏調査の一般的な流れについて、あらかじめ把握しておきましょう。

商圏分析は個人でも行えますが、より多くの信頼できるデータを収集するためには、専門業者への依頼がおすすめです。ここでは、費用など依頼する際のチェックポイントについても解説します。

商圏調査の流れ

商圏調査の流れ

商圏調査は、人口や世帯数などの調査に加え、その地域の特性や住民の年齢層、さらにその周辺の調査なども含まれます。

商圏調査は流れを理解していれば、それほど難しい作業ではありません。まずは自分で対応してみましょう。難しい場合は、専門業者に任せることもできますが、大まかな流れは把握しておきましょう。

商圏調査の流れは、大きく以下4つのステップに分けられます。

1.商圏調査の目的を明確にして企画を立てる

商圏調査を行うにあたり、まずは企画を立てましょう。企画を立てる際は、今回の商圏調査における目的を明確にしておくことが大切です。目的が明確になっていれば、今後のステップで問題点や課題が見られた場合にも、柔軟に対応できます。どのような目的であるのか、結果をどういった形で経営戦略に組み込みたいのかを明確にしましょう。

商圏調査の目的は、以下の場合がほとんどでしょう。

  • ターゲットとなるエリアの市場の大きさや特性、および競合店の実態を正確に把握して、効果的な施策を立案し実行するため
  • 既存事業における投資のための判断材料収集のため(どの分野・事業に注力していくかといった判断のため)

いずれも最終的な目的は、売上の向上や顧客獲得です。

2.調査を行う商圏の明確な設定

実際に調査を行う商圏を具体的に設定しましょう。商圏は地図上で設定することになります。一見、紙媒体のほうが扱いやすそうですが、実際にはかさばってしまううえに、使い回しも効きません。

おすすめは、パソコンで操作ができるデジタル地図の活用です。総務省統計局から提供されている地域分析システム「j STAT MAP」は、国の機関が提供する無料かつ優秀なマップツールで、確認したい任意の地区の人口や世帯数についても、簡単にレポートを作ることができます。

世間には、様々な有償で高機能なツールが存在しています。大手の企業などでは、自社の売上情報などを組み込んだ独自に開発した商圏分析ツールを活用している場合もあります。コストをかければ効率は上がりますが、商圏調査の第一歩として、まずは無料のツールではじめてみてはいかがでしょうか。

3.調査の実施

商圏が設定できたら、実際に調査活動に移ります。商圏調査には、様々な方法があります。今回は、代表的な4つの調査方法をご紹介します。

  • 既存顧客データ:既存の店舗がある場合は、それらの店舗の既存顧客データを活用する
  • ハフモデル分析:来店者数と売り場面積、来店距離との関係性を利用した分析方法
  • 現地調査:実際に現地で行われる調査で、交通量や街の雰囲気、商圏バリアの把握を行う
  • アンケート調査:商圏内の人たちに向けてアンケートを行う

4.データを集計して分析する

必要なデータが揃ったら、集計して分析を行いましょう。施策の立案および実行のために、集計したデータを分析して明確な根拠を見つけ出しましょう。

なお、商圏調査はデータの数値のみで分析されるものではありません。人の動きや感情は、数値では表現できないためです。現地調査やデータの数値の向こう側にあるものを読み取るためには、地理的なセンスや専門的なノウハウが必要となります。

商圏調査を依頼する際のポイント

商圏調査を依頼する際のポイント

自前での調査が難しい状況で商圏調査を依頼する際は、依頼先となる企業を慎重に吟味しましょう。特に重要なのが、機能面と費用に関する問題です。

柔軟な対応が可能なシステムであるかどうか

商圏調査を依頼する際は、調査に使用するシステムが要求に柔軟に対応できるか確認しましょう。特に、データの管理方法が重要となります。

おすすめは、クラウド管理です。国勢調査などで利用する統計など一度集計されたデータは、頻繁には更新されません。そのため、クラウド上で管理して、複数のメンバーがその都度活用できる状態であることが望ましいでしょう。

データの拡張性も考慮すべき点として挙げられます。一般的にクラウド運用のシステムでは拡張性は限られたものになってしまうのは仕方ないところです。国勢調査に限らず、様々な統計調査の情報を読み込んで活用することができるか、将来的には自社の販売情報などの経営情報との統合が可能かどうかなども事前に考慮しておきたいところです。

使いやすい料金システムであるかどうか

費用面は、料金はサブスクリプション方式がおすすめです。料金を支払うことで、1ヵ月など特定の期間で利用が可能となるサブスクリプション方式なら、必要なタイミングで導入できます。

また、商圏調査を行うツールや依頼費用には、ピンからキリまであります。コストを抑えることばかりを優先するのではなく、望んだ結果がきちんと得られるかどうかを判断しましょう。

費用を抑えることだけを優先すると、望んだ調査結果が得られず、結果的に大きな損となる可能性もあります。

楽しいチリビジでは、クラウドベースの商圏レポート作成サービスをはじめ、商圏調査の導入時のアドバイス、導入後の運用、未来統計やあさひる統計など、国勢調査ではカバーしきれない拡張性の高い統計データの提供などにも対応いたします。

店舗やクリニックを新たな地域で立ち上げようとしている方、不動産の開発計画のためにデータを集めたい方などをサポートいたします。

専用の地理情報システムを導入していない方でも、将来の人口をもとに商圏を分析できる「未来商圏レポート」のサービスを活用いただけます。
お気軽にお問合せ下さい。

商圏調査は立地調査も重要

商圏調査で重要となるのが、立地に関する調査です。立地は、その地区における商業活動に大きな影響を及ぼします。立地調査によって把握できることや立地のタイプ別の特徴について、解説します。

立地調査で把握できること

立地調査で把握できること

立地調査は、候補地分析とも呼ばれるものです。

実店舗を新たに出店するにあたり、最寄り駅からの動線や、建物内の動線といった点を調査します。複数の候補物件から選定するにあたり、一番売上が見込めるのはどの物件なのかを理解するためにも重要な内容となります。

一般的な立地のよさは「駅前」「人通りが多い」などですが、そういった立地だと賃料が高かったり、なかなか物件を見つけられなかったりする可能性があります。

そのため、駅前などでなくても利益が出せる場所を探す必要があるのです。

立地調査を行うことで、様々なリスクを回避することができるのです。

タイプ別に捉える立地調査の特徴

タイプ別に捉える立地調査の特徴

立地調査では、その地域の立地をタイプ別に分類します。分類することで、その後の調査方針が明確になるためです。立地におけるタイプ別の特徴についてご紹介します。

オフィス立地

オフィスが集中している立地を、オフィス立地といいます。オフィス立地の特徴として、商業施設がほとんど見られない点が挙げられます。

オフィス立地の場合、平日と休日とでは人口が大きく異なります。多くの人が出社する平日昼間だと、人口密度は凄まじい高さになります。飲食においてはランチタイムの需要が高いため、集客は十分期待できる可能性が高いと思われます。

また、オフィスという都合上、ほぼ同じ人がその地域を利用します。そのため、お客様はリピーターである場合が多くなります。

しかし、休日はあまり売上が期待できません。平日との違いを踏まえたうえで、効果的な計画を立てるとよいでしょう。

商業立地

大きな商業施設が多数立ち並ぶ立地は、商業立地に分類されます。オフィス立地とは異なり、平日や休日を問わずに多くの人が訪れます。また、距離を問わず、遠方から訪れる人も多いのが特徴です。

商業施設は商品を売っている場所であり、利用客は購入前提で訪れるので、集客はもちろん、売上も期待できるでしょう。

一方で、多くの競合店があることも把握しなければなりません。特に渋谷や新宿、梅田や難波といった非常に賑わう繁華街では、慎重な立地調査が重要です。加えて、条件が恵まれた物件は需要が高いため、競争率や賃料も上がる傾向にあります。

住宅立地

オフィスや商業施設がほとんどなく、居住者が多い立地を、住宅立地といいます。住宅立地には居住者が多いため、平日の昼間は人口の流入がほとんど見られません。逆に平日の夕方以降や休日は居住者が戻ってくるため、日常使いの最寄品を中心に比較的活発な商圏を構成します。

競合率が低く賃料が安めなのは、嬉しいポイントです。ただし、外部からの人口の流入が少ない分、ファッションなどの買回品では高い売上は期待できないかもしれません。

地域や住民の特性を理解することで、安定した売上を確保することは十分に可能です。

楽しいチリビジでは、スマートフォンなどから得た位置情報を統計処理した時間帯別の人口統計データ「あさひる統計」を提供しています。時間帯別の人の動きから定義した地域コードによって、その場所の立地を事前に特定することも可能です。

商圏調査は信頼できる専門業者への依頼がおすすめ!

結果につながる商圏分析を行うためには、しっかりとした商圏調査が重要となります。

無料ツールなどを活用することで、コストを抑えながら自力で調査することも可能ですが、十分なデータを得られない可能性もあります。

そのため、必要なデータをしっかりと集めたいという場合は、専門の業者への相談がおすすめです。信頼できる業者に依頼することで、効果的な商圏調査および商圏分析が行えるでしょう。

新しい店舗やクリニックなどのオープンをお考えでしたら、ぜひ楽しいチリビジの製品・サービスをご活用ください。

楽しいチリビジでは、地理情報システムがはじめての方から、エキスパートの方までを対象に、様々な製品・サービスを提供しております。

商圏調査・分析に関するお悩みの方を、地理の観点からサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

商圏分析や調査のご相談をお考えなら楽しいチリビジ

社名 株式会社楽しいチリビジ
代表取締役 真野栄一
資本金 1,000,000円
設立 2007年5月
住所 〒210-0011 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目2−1−114
メール ask@chiri.biz
URL https://chiri.biz
事業内容
  • 地理情報システムのコンサルティング
  • 地理情報システムの開発および販売
  • 地図情報の調査および編集
  • スマートフォン向け地図アプリの企画販売